いきている山

大学講師として63歳で退職するまで同校で英文学を教え続けたナン・シェパード。その間も小説や詩集を発表したが、1944-45 年ごろに執筆された『いきている山（The Living Mountain）』がようやく出版されたのは1977年のことだった。 スコットランド北東部のケアンゴーム山群を眺める、アバディーンに生を享けた作家ナン・シェパードは生涯この山に通い、愛し続けた。高さや速さを競う訳でなく、山の「内側」や「奥地」を求め、ただただ山に分け入り、山と共に時間を過ごす。山に入ることで五感を解放し、生き物たちや光や風、雨や雪、人と出会い直す。 “山の本質を知ること”を生涯試みようとしたナン・シェパードによる、ネイチャーライティングの名作。著者 ナン・シェパード